退職手続きの流れを完全解説【会社・自分で行う手順】

転職

退職が決まったら、やることは「会社への届け出」だけではありません。健康保険・年金・失業給付など、退職後の手続きも期限付きで複数あり、漏れると給付が受け取れないケースもあります。この記事では、退職の意思表示から転職活動再開まで、時系列で手続きの全体像を整理します。


必要なもの・受け取るもの

退職前に会社へ提出するもの

  • 退職届(会社指定の様式があれば従う。なければA4縦書きまたは横書きで可)
  • 業務引き継ぎ資料(担当案件・取引先・マニュアル類)
  • 貸与品(社員証・PC・制服・社章など)

退職後に会社から受け取るもの

書類名 用途 受け取り時期の目安
離職票(1・2) 失業給付(雇用保険)の申請 退職後10日〜2週間程度
雇用保険被保険者証 次の就職先・ハローワークへ提出 退職日以降
源泉徴収票 年末調整・確定申告 退職後1か月以内(法定)
健康保険資格喪失証明書 国民健康保険の加入手続き 退職後速やかに発行依頼
年金手帳(未返却の場合) 国民年金切替え手続き 退職日以降

※「年金手帳」は2022年4月以降の新規発行が廃止されています。基礎年金番号通知書等を確認してください(日本年金機構の公表情報による)。


退職手続きの流れ:時系列ステップ

ステップ1|退職の意思を上司に伝える(退職希望日の1〜3か月前)

民法では、期間の定めのない雇用契約の場合、退職申し出から2週間後に退職できると定められています(民法627条)。ただし就業規則で「1か月前」「3か月前」と定めている企業が多く、円満退職を目指すなら就業規則に合わせた申し出が現実的です。

注意点

  • メールやチャットより、まず口頭で直属の上司に伝えるのがマナー上のトラブルを減らしやすい
  • 退職理由は詳細を話す義務はなく、「一身上の都合」で問題ない
  • 引き止めに合った場合は「意思は固まっています」と端的に繰り返す

ステップ2|退職日・引き継ぎスケジュールの調整(退職1〜2か月前)

退職日が決まったら、業務の引き継ぎ計画を上司と合意します。引き継ぎ先の担当者が決まり次第、以下を文書化してください。

  • 担当業務の一覧と進捗状況
  • 取引先・社内関係者の連絡先・対応履歴
  • 使用しているシステム・ツールのID管理情報(情報セキュリティの観点から会社のルールに従う)

ステップ3|退職届を提出する(退職1か月前〜2週間前)

口頭で合意後、退職届(または退職願)を書面で提出します。

  • 退職届:退職を一方的に通知する文書。受理されれば取り下げ原則不可
  • 退職願:「お願い」の形式。会社が受理するまでは取り下げ可能

書き方の基本:日付(退職日)・所属・氏名・退職理由(一身上の都合)・直属上司への提出が一般的です。

注意点

  • 「退職届」と「辞表」は厳密には異なります。辞表は役員・管理職が使う表現で、一般社員は「退職届」が一般的
  • 郵送する場合は「添え状」を同封し、簡易書留を利用する

ステップ4|社会保険・備品の返却などの社内手続き(退職2週間前〜退職日)

  • 健康保険・雇用保険の喪失手続き:会社の人事・総務部門が行うため、必要な情報を渡す
  • 貸与品の返却:社員証・PC・法人カード・制服などを期日までに返却
  • 社内メールや名刺の処理:退職日以降の業務連絡先(個人アドレス等)を関係者に案内
  • 有給休暇の消化:残日数は原則として退職前に消化が望ましい。時季変更権(会社が時期をずらす権利)は退職日が確定した後は行使できないと解釈されることが多い

ステップ5|退職後の公的手続き(退職日から14日〜20日以内が目安)

退職後は、以下の手続きをなるべく早く行います。

① 健康保険の切替え(退職後14日以内に手続き開始)

選択肢は3つです。

方法 概要 窓口
任意継続被保険者 退職前の健康保険を最長2年間継続 退職日翌日から20日以内に旧保険組合へ申請
国民健康保険 市区町村の保険に加入 退職後14日以内に市区町村窓口へ
家族の扶養に入る 家族の被扶養者になる 家族の勤務先経由で申請

保険料の比較は個人の収入・扶養家族の有無によって異なるため、複数の選択肢を試算してから決定することをおすすめします。

② 年金の切替え(退職後14日以内)

厚生年金から国民年金(第1号被保険者)への切替えが必要です。お近くの市区町村窓口または年金事務所で手続きします。収入が一時的にない場合は、保険料の「免除・猶予制度」を申請できます(日本年金機構の公表情報による)。

③ 失業給付(雇用保険)の申請(離職票が届き次第)

退職後に求職活動をする場合、ハローワーク(公共職業安定所)で求職の申し込みと受給資格の確認を行います。

  • 一般の退職者(自己都合):申請後7日間の待機+2か月の給付制限期間(2020年10月以降、5年間で2回目以降は3か月。ハローワークの公表情報による)
  • 会社都合退職・特定受給資格者:給付制限なしで受給開始可能

必要書類:離職票1・2、マイナンバーカードまたは身分証・雇用保険被保険者証・写真2枚(3cm×2.5cm)・本人名義の口座通帳

④ 住民税の支払い(退職後〜翌年5月分)

在職中は給与から特別徴収(天引き)されますが、退職後は普通徴収(自分で納付)に切り替わります。退職月によっては、退職時の給与で一括差し引きになる場合があります(6月退職等)。市区町村から届く納付書で納期を確認してください。


各社の公式サイト

※料金・条件は変更される場合があります。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。

つまずきやすいポイントと対処法

  • 離職票がなかなか届かない:会社が手続きを遅らせているケースがあります。退職後10日を過ぎても届かない場合は、人事担当者に状況を確認し、それでも対応がない場合はハローワークに相談できます
  • 有給が消化させてもらえない:労働基準法39条に基づき、有給休暇は労働者の権利です。消化を認められない場合は、都道府県の労働局・労働基準監督署への相談が可能です
  • 即日退職・やむを得ない事情がある場合:体調不良・ハラスメント等の理由であれば、民法628条による「やむを得ない事由」での即時解約が認められる場合があります。弁護士や労働組合への相談を検討してください
  • 社会保険の二重加入に注意:月の途中で転職する場合、入社日と退社日によっては1か月分の社会保険料が二重にかかるケースがあります。入退社の日付を人事担当者に事前確認してください

転職活動に役立つサービス

退職手続きと並行して、次のキャリアを考える方には転職エージェントの活用が選択肢のひとつです。

マスメディアンは、マーケティング・クリエイティブ職に特化した転職エージェントです。広告・デジタルマーケ・PR・編集・デザインなどの求人を扱っており、業界に精通したアドバイザーによるサポートが特徴です。利用は無料(成功報酬型で求職者の費用負担なし)。在職中からの相談も可能なため、退職前から求人情報を収集したい方にも向いています。

副業や業務委託を検討する場合は、現職の就業規則での副業可否を事前に確認してください。無許可の兼業は就業規則違反につながるリスクがあります。


よくある質問

退職届はいつまでに出せばいいですか?
民法では2週間前ですが、就業規則で1〜3か月前と定めている企業が多いです。就業規則を確認し、規則に沿って早めに提出するとトラブルになりにくいです。

退職後、健康保険はすぐ切れますか?
退職日の翌日から会社の健康保険の資格を喪失します。翌日以降は医療機関を受診しても保険が適用されないため、任意継続・国民健康保険・家族の扶養のいずれかを速やかに手続きしてください。

失業給付はいくらもらえますか?
基本手当の日額は、退職前6か月間の賃金日額に応じた給付率(おおむね50〜80%)で計算されます。上限・下限額は毎年8月に改定されます。詳細はハローワークまたは厚生労働省の公表資料で確認してください。

源泉徴収票はいつもらえますか?
法律上、退職後1か月以内に交付が義務付けられています(所得税法226条)。年内に再就職する場合は新しい勤務先の年末調整に、年をまたぐ場合は確定申告に使用します。

退職後に確定申告は必要ですか?
年の途中で退職し、年内に再就職しなかった場合は原則として自分で確定申告が必要です。還付になるケースが多いため、翌年2月〜3月の確定申告期間に手続きを行ってください。

会社が退職を認めてくれない場合はどうすれば?
退職は労働者の権利であり、会社が拒否しても法的効力はありません(期間の定めのない雇用の場合)。内容証明郵便で退職届を送付する、都道府県の労働局・労働相談センターに相談するといった対応が可能です。


まとめ

退職手続きは、会社側の手続き(退職届・引き継ぎ・貸与品返却)と、自分自身が行う公的手続き(健康保険・年金・失業給付・住民税)の2軸で管理することが大切です。特に退職後の健康保険と年金の切替えは期限が短いため、退職日が決まったら早めに選択肢を比較しておきましょう。

次のキャリアに向けた準備も退職手続きと並行して進めることで、空白期間を短くできます。マーケティング・クリエイティブ職への転職を検討している場合は、マスメディアンのような専門特化型のエージェントへの相談も選択肢として検討してみてください。


制度や求人動向は変更される場合があります。転職・副業のご判断はご自身の責任で行ってください。

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