フリーランスの営業・案件獲得:実践7ステップ
フリーランスとして独立したばかりの方が最初につまずくのが「どうやって仕事を取るか」という営業の問題です。単発の紹介頼みでは収入が安定せず、長続きしません。本記事では、ポートフォリオ整備→アプローチ→商談→契約という一連の流れを7ステップで整理し、継続的に案件を獲得できる仕組みの作り方を解説します。
副業でフリーランス案件を受ける場合は、勤務先の就業規則で副業が認められているか事前に確認してください。
必要なもの
営業活動を始める前に、以下を用意しておくとスムーズです。
- ポートフォリオ(実績集):過去の制作物・担当業務・成果を1か所にまとめたもの。PDFまたはWebページが一般的。
- 自己紹介シート(1枚):スキル・稼働可能時間・希望単価・連絡先を記載。
- SNS or プロフィールページ:LinkedInやX(旧Twitter)など、検索で見つけてもらえるプロフィール。
- 請求書・契約書のひな形:初回商談で「すぐ動ける」と示すために事前に準備する。
- 見積もりの基準料金表:交渉の軸になる自分なりの価格設定。
案件獲得の7ステップ
ステップ1:提供するサービスと対象クライアントを絞る
「何でもやります」は最も響かない提案です。まず得意分野×ターゲット業界を1〜2パターンに絞ります。
- 例:「BtoB SaaS企業向けのコンテンツマーケティング支援」
- 例:「中小企業向けのWebサイト制作と更新運用」
絞ることで提案文の説得力が増し、単価交渉でも有利になります。
注意点:最初から完璧な専門化は不要です。「まずこれを売り」と仮決めし、受注しながら修正していく姿勢で進めましょう。
ステップ2:ポートフォリオを整備する
クライアントが最初に確認するのがポートフォリオです。以下の要素を必ず盛り込みます。
- 課題→施策→成果の構成(数値があれば具体的に示す)
- 自分が担当した範囲の明示(チーム制作の場合は役割を記載)
- クライアント属性(業種・規模感。固有名詞は許可を得た場合のみ)
- 連絡先・SNSへのリンク
注意点:前職・前案件の素材を無断で掲載すると守秘義務違反になる場合があります。使用許可の確認、または匿名化・抽象化してから掲載しましょう。
ステップ3:最初の案件は「既存の人脈」から取る
新規営業より成約率が高く、最短で収入につながるのが知人・元同僚・前職クライアントへのアプローチです。
- SNSで独立を告知し、「こういう仕事を受けています」と具体的に発信する
- 元上司・元取引先に挨拶メールを送り、紹介をお願いする
- 勉強会・交流会に参加して顔を売る
人脈がまだ薄い場合は、ステップ4のフリーランス向けプラットフォームを並行して使いましょう。
注意点:前職のクライアントに直接営業する際は、退職時の競業避止義務(こうぎょうひしぎむ:同業での活動を制限する契約条項)に違反しないか確認してください。
ステップ4:フリーランス向けエージェント・プラットフォームに登録する
人脈だけでは供給が不安定です。専門エージェントへの登録を営業チャネルの一つに加えましょう。
マスメディアンは、広告・マーケティング・クリエイティブ領域に特化した人材エージェントです。フリーランス・業務委託案件の紹介にも対応しており、専門職向けの案件を多数保有しています。担当者が間に入って案件のマッチングや条件交渉をサポートしてくれるため、「営業が苦手」「初めてで相場がわからない」という方でも相談しやすい点がメリットです。
エージェント活用時の注意点
- 複数社に同時登録することで比較しやすくなります(一般的に登録無料・成功報酬型)
- エージェントが紹介する案件は中間マージンが引かれた金額が表示される場合があります。直接単価の目安と比較しておきましょう
- エージェント経由で契約した案件のクライアントへの直接営業は契約上禁じられているケースが多いです
ステップ5:提案文・営業メールを型化する
新規クライアントへのメールやDMは、受け取る側が「何を頼めるか」すぐわかる構成にします。
【件名】〇〇領域のフリーランス支援のご相談(氏名)
はじめまして、(氏名)と申します。
(相手との接点・共通点を1行)
私は(専門分野)を(年数)年担当しており、
直近では(具体的な成果や実績を1〜2行)。
現在、(相手の業種・状況)のお役に立てる案件を
探しており、ご相談できれば幸いです。
(ポートフォリオURL)
(連絡先)
注意点:テンプレートをそのまま大量送信するとスパム扱いされます。相手の事業内容を1〜2行調べてカスタマイズするだけで返信率が大きく変わります。
ステップ6:商談・ヒアリングで信頼を作る
商談の目的は「売り込む」ではなく「課題を理解する」です。
- ヒアリング:現状の課題・過去の失敗・理想の状態を聞く(話す割合は3割以下に抑える)
- 提案:ヒアリング内容を踏まえ「自分が貢献できる部分」を具体化して伝える
- 条件確認:稼働時間・単価・支払いサイト(月末締め翌月末払いなど)・著作権の帰属を口頭で確認
- 次のアクション:「来週中に簡単な提案書をお送りします」のように次の約束で終わらせる
注意点:口頭だけで仕事を進めるとトラブルのもとです。金額・範囲・納期を必ず書面(メールでも可)で確認しましょう。
ステップ7:継続・紹介につながる仕組みを作る
最も効率の良い営業は既存クライアントからのリピートと紹介です。
- 納品後に「ご感想をいただけますか?」と聞き、改善点を次回に反映する
- 月次レポートや定例ミーティングを提案し、継続関係を作る
- 「同じような課題を抱えているご担当者の方がいれば紹介いただけると助かります」と一言添える
- SNSで定期的に専門情報を発信し、見込みクライアントから問い合わせが来る状態を作る(インバウンド営業)
各社の公式サイト
※料金・条件は変更される場合があります。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
つまずきやすい点と対処法
「単価が安くたたかれてしまう」
提案段階で成果ベースの価値を示せていないことが多い原因です。「時間単価×時間数」ではなく「この課題を解決したら貴社にとって◯◯円の価値がある」という視点で提案を組み立てましょう。
「応募しても返信が来ない」
ポートフォリオの更新不足か、提案文のカスタマイズ不足がほとんどです。また、クラウドソーシング系プラットフォームでは競合が多いため、ステップ4のような専門エージェントと組み合わせると接触できるクライアントの層が変わります。
「収入が月によって大きくばらつく」
案件が1社に集中していると、その会社の予算削減で収入がゼロになるリスクがあります。最低でも2〜3社と継続関係を持つことを目標に営業活動を続けましょう。
「インボイス登録(適格請求書発行事業者)はどうするべきか」
2023年10月施行のインボイス制度(適格請求書等保存方式:消費税の仕入税額控除に必要な請求書制度)により、法人クライアントから「インボイス登録しているか」を確認されるケースが増えています。登録により消費税の申告・納税義務が生じる場合があるため、税理士に相談のうえ判断してください。
関連するサービス
広告・マーケティング・クリエイティブ領域でフリーランス案件を探している方には、マスメディアンへの相談が選択肢の一つです。専門領域に特化したキャリアアドバイザーが在籍しており、業務委託・フリーランス案件の紹介実績があります。登録・相談は無料で行えます(成約時の費用体系は公式サイトでご確認ください)。
よくある質問
フリーランスの案件獲得に実績ゼロでも営業できますか?
可能です。過去の会社員時代の業務経験をポートフォリオとして整理し、「担当業務・役割・成果」を具体的に示せば実績として提示できます。ただし、前職の素材を使う際は守秘義務と著作権に注意が必要です。
営業メールの返信率を上げるコツは何ですか?
件名に相手の課題や業種を入れること、本文を300字以内に収めること、そして「一度15分だけお話しできますか」のように次のハードルを低くすることが有効とされています。大量送信より、1通ずつカスタマイズしたほうが返信率が上がる傾向があります。
フリーランスエージェントと直接営業はどちらが効果的ですか?
どちらか一択ではなく、組み合わせて使うのが現実的です。エージェントは安定した案件供給と条件交渉サポートが強みで、直接営業は単価や関係性の構築面で有利になります。独立初期はエージェントで実績を積みながら、直接営業チャネルを育てる進め方が多く見られます。
フリーランスの適正な単価の決め方は?
「希望年収÷実稼働月数(休暇・営業時間を除く)÷稼働時間数」で時間単価の目安を算出するのが基本です。そこに経費(交通費・ツール費・社会保険料の自己負担分等)を乗せた上で、業界相場と照らし合わせて調整します。相場感はエージェントに確認するのが最も早い方法の一つです。
案件獲得後のトラブルを防ぐには?
業務範囲・納期・報酬額・修正回数・著作権の帰属・秘密保持・契約解除条件を明記した業務委託契約書を必ず締結しましょう。ひな形はフリーランス協会(一般社団法人)などが公開しています(利用時は最新版を確認してください)。
副業でフリーランス案件を受ける場合の注意点は?
所属企業の就業規則で副業が認められているか確認することが最初のステップです。収入が一定額を超えると確定申告が必要になり(給与以外の所得が年間20万円超の場合が目安。詳細は国税庁の案内を参照)、住民税の通知で副業が発覚するケースもあります。
まとめ
フリーランスの案件獲得は、「誰に何を売るか」を明確にする→ポートフォリオを整備する→人脈・エージェント・直接営業の複数チャネルを使い分ける→継続とリピートの仕組みを作るという流れで進めると、単発の仕事に依存しない安定した受注体制に近づきます。
最初から完璧な仕組みは作れないので、小さく動いてフィードバックを得ながら改善していくことが重要です。広告・マーケティング・クリエイティブ領域で案件を探している方は、専門エージェントへの相談も選択肢に加えてみてください。
制度や求人動向は変更される場合があります。転職・副業のご判断はご自身の責任で行ってください。


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